「認知症世界の歩き方」認知症のある人の頭の中をのぞいてみたら? 筧 裕介

・・・「認知症のある方が生きている世界」を、実際に見られるように。

これまでに出版された本や、インターネットで見つかる情報は、どれも症状を医療従事者や介護者視点の難しい言葉で説明したものばかり。

肝心の「ご本人」の視点から、その気持ちや困りごとが、まとめられた情報が、ほとんど見つからないのです。

そこでわたしたちは、ご本人にインタビューを重ね、「語り」を蓄積することから始めました。・・・(本書カバー)

 

ミステリーバス・・・乗り込んでしばらくすると、記憶をどんどん失って行き先がわからなくなる不思議なバス。

ホワイトアウト渓谷・・・深い霧と吹雪が視界とともにその記憶まで真っ白に消し去ってしまう、幻の渓谷。

アルキタイヒルズ・・・いつの間にかタイムスリップしてしまい、過去の思い出とともにどんどん歩みを進めたくなる不思議な街。

創作ダイニングやばゐ亭・・・わたしたちが当たり前に使っている言葉や記号といったものが存在せず、注文方法が常識とはまったくことなる名店。

顔無し族の村・・・顔が千変万化するため、人を顔では識別しない。つまりイケメンも美女も関係ない顔無し族が暮す村。

サッカク砂漠・・・足元が蜃気楼のように揺れたり、色や形が変幻自在の巨大サボテンが突然行くてをはばんだりする、砂漠の迷宮。

七変化温泉・・・入浴するたびに温度や匂い・肌触りなどが変わる不思議な湯が湧き出る、ドッキリ温泉。

パレイドリアの森・・・見えるはずのないものが見え、聞こえるはずのない音が聞こえる、驚きの森。

トキシラズ宮殿・・・正しい時の流れの感覚を完全に失ってしまう、世にも奇妙な現代版・竜宮城。

服ノ袖トンネル・・・一見簡単そうに見えるのに、壁にぶつかり、袋小路にはまり、なかなか出口にたどり着かないトンネル。

二次元銀座商店街・・・何度訪れても必ず迷い、目的地にたどり着く前に必ず寄り道をしてしまう、摩訶不思議な商店街。

カクテルバーDANBO・・・聞きたくもないのに、人の会話が耳に飛び込み、気になって仕方なくなってしまう、謎のカクテルバー。

カイケイの壁・・・お会計というゴールにたどり着くまでに、数々のトラップが潜んでいる高い壁。

 

認知症世界にあるという~数々の迷所窮関です。

夢世界~なんか楽しそうな世界?のような気もしますが・・・。(^-^;

「ご本人」は、その世界で、自らが感じるままに行動したり会話している。

 

当然、現実世界とは齟齬があり、それをまわりがどう調整していくか。

サインや目印を分かりやすく工夫することは、一般社会でも使えますね。

今までの社会生活を深掘りして、さらに延長の先にあるのが、この世界。

 

・・・あなたは認知症世界を旅する旅人。

この物語に登場するのは、架空の主人公でも、知らないだれかでもなく、「少し先の未来のあなた」や、「あなたの大切な家族」です。・・・