「R帝国」 中村文則

 

・・・近未来の島国・R帝国。人々は人工知能搭載型携帯電話・HP(ヒューマン・フォン)の画面を常に見ながら生活している。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。だが何かがおかしい。国家を支配する絶対的な存在”党”と、謎の組織「L」。この国の運命の先にあるのは、幸福か絶望か。やがて物語は世界の「真実」にたどり着く。・・・(本書カバー)

 

R帝国とB国の戦争にY宗国が絡み、そして・・・国際間の複雑怪奇な関係が明らかに・・・物語の世界は、疑似現実?仮想現実?の世界。

R帝国は現代日本と某国の混合体か?~ほとんど現実社会なのでは。

さすがに本当の戦争はないが、相次ぐ大規模自然災害やコロナ禍の現状は、戦争状態に近いのかもしれない。

 

・・・我々にはHPを通じての国民に関するビッグ・データがある。検索履歴、会話・メール傾向等も全て収集されデータ化されている。そのビッグ・データを我々が所有する最新の人工知能に解析させ、国内世論をある程度正確に把握することができる。・・・(P.357)

 

リアルすぎて不気味な近未来ディストピア小説。

不快な読後感しかないが、読んで良かった~という不思議な感想。