「人間、このタガの外れた生き物」 池田清彦 著 読了。
新聞書評で知り、興味を持ったので入手。
読み始めは多少の違和感を感じましたが、語りかけるような文体は慣れるとスラスラ読めました。
~人間も一つの生物である。しかし、生物として見ると人間とは「タガの外れた」生き物である。
人間のように戦争したり、環境破壊する生き物はいない。
「タガの外れた」生き物ではあるが、それでもやっぱり人間は生物である。
生物としての限界を超えることができるわけではない。
寿命は永遠には延びないし、エネルギーがないのに繁栄を続けることも不可能だ。~
(タガは箍(たが)で、木製の桶や樽 にはめる輪)
著者は、昆虫採集マニアでもあるので昆虫がよく登場します。
アリの巣「2・6・2の法則」は面白いですね~。(人間社会にも通じるという・・・。)
よく働くアリ2割・チョッと働くアリ6割・働かないアリ2割で、上部の2割のアリばかり集めて巣を作らせても結局、「2・6・2」になってしまうらしい~、「タガをハメる」生物。
あと、究極の自己犠牲?を発揮するミツツボアリは、生物的に「タガが緩んだ」生物かな。
読んでいるうちに、ジャレド・ダイアモンドの主張と重なっているコトもあるな~と感じる。
現在の人間世界は、農業も漁業も工業もインフラも軍事も全て、”エネルギー”に支配されています。
今の状況で、エネルギーの奪い合いが起きると・・・人類共倒れになってしまう。
最悪の事態を招かないように、「タガを外さない」生き方や政策を取らなければ・・・イケナイのか。