「街場の憂国論」 内田樹(うちだたつる)著を読みました。

取っ付きにくいな・・・と思いつつも、著者の主張に興味があったので、なんとか最後までたどり着く。

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~行き過ぎた市場原理主義、国民を過酷な競争に駆り立てるグローバル化の波、

排外的なナショナリストたちの跋扈、改憲派の危険な動き・・・。

未曾有の国難に対し、わたしたちはどう処すべきなのか?。

日本が直面する危機に、誰も言えなかった天下の暴論でお答えします。~

 

ご自身でも「暴論」と言っているように、現状ではアチコチから反発を喰らうような内容多し。

「世論」ではなく「私見」を述べている・・・と書かれているが、ナルホド~と思うことも多々ありました。

 

 誰かが傷つくといけない・・・という理由で道端のガラス破片を拾ったり、歩道の雪除けをしたりと、フトした社会に対する気づかいをしたり、感じることのできる人々・・・アンサング・ヒーロー(unsung hero 歌われざる英雄、顕彰されることもない、報われることもない多くの市井の人)が減ってきているらしい。

 

陰徳を積むよりは、実際に危機が起きてから華やかな働きを見せ、それに相応しい報奨を受け取る方が「得だ」というふうに考える人、リスクを未然に防いで「歌われる」チャンスを手に入れる方がクレバーだと考える人、そういう人が能力の高い人の中に増えてきているらしい。

 

それ故の憂国。

なんか、内容の書き出しばかりになってしまったが、考えさせられる本でした。