「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック著 浅倉久志 訳を読みました。

有名なタイトルは知っていたものの未見。

遅ればせながら、ようやく読んだ~といったところです。

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物語の舞台は第三次大戦後(1990年代前半)のサンフランシスコ。

辛うじて生き延びた人類の一部は火星へ移住したり、高層集合住宅で寄り添って生きている。

人々の情緒を安定させるための情調(ムード)オルガンに頼りながら。

動物・鳥・爬虫類~昆虫に至るまで、生物は全滅に近い状態で、人類も身体的に放射能の影響がないと診断された適格者(レギュラー)と、それ以外の特殊者(スペシャル)に区別されています。

~放射性降下物の充満した朝の灰色の大気は、太陽をかげらせ、彼のまわりですえた息を吐き、鼻孔にまとわりついてくる。~(P14)

大気汚染も行きつくところまで行ってしまった・・・。

 

また、異星環境下でも作業できる人間型ロボット(有機的アンドロイド)が大量に作られており、人間社会で<奴隷>的な役割が与えられている・・・という暗黒の近未来社会。

この世界でのステータスは、生きている動物を飼うこと。

主人公リック・デッカードは人造の電気羊を持っていたが、貴重で高価な本物の動物が欲しかった・・・。

 

物語より20年先に来た現代(2014年)は、不平不満はあるものの、この世界観に比べるまでもありません。

でも、アンドロイドや空飛ぶクルマや火星移住は実現していないが、現代を予言したような面(格差社会・環境汚染)もあり、絵空事ばかりではありません。 

普通に生きている動物を飼える時代でヨカッタ!。

 

人間とアンドロイドの社会は対立が前提のようです。

現代でも似たような対立はある?な。

 

自分は人間なのか?アンドロイドなのか?。

目の前のヤツは人間かアンドロイドか?。