「生物学的文明論」 本川達雄著を読みました。

出口会長が薦める一冊です。

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人間もゾウもネズミも、動物の心臓は自然のままだと15億回鼓動して止まるという。

小さい動物ほど鼓動が速い。

15億回ということは本来、人間の寿命は40歳くらい・・・。(エッ!)

そして、生物が一生の中に使う体重あたりのエネルギーは、人間もゾウもネズミ変わらない。

人間の考える時間は天文学や物理学・数学だが、もしかしたら生物はそれぞれの時間を感じているのかもしれない~との指摘に驚く・・・。

 

現代文明の利点を認めつつも、生物学的に見たら地球上は一日に100種もの生物が全滅する危機的状況だそうです。

地球に乗っかる人間社会も同様に足場が揺らいでいる。 

 

また、何故、全て生物は子孫を残すのか?哲学?宗教?にも迫るような本質を、著者の専門分野からヒモ解いています。

そして、全ての生物が持つ、利己的遺伝子の支配から逃れられるのは人間だけのようです。

・・・「生物学的に言えば、子供(次世代)は私であり、私、私、私と私を伝えていくのが生物というものです。

だから私の範囲をとらえ直し、未来の私までも勘定に入れた利己主義者になりませんか・・・。」(P.224)

 

読み進める中で、気になった箇所に付箋を張り付けていくのだが~タクサン付いてしまった。

地球上の生物には、全て存在する理由や意味がある・・・。

 

現代まで引き継がれる宗教や宗教観・哲学思想が生まれた歴史背景には、生と死がより密接であったこともあるのだな~とムタムタと思う。

生物学的に・・・と言わなくても、本来そういう考えを持つことが人間には備わっているのかもしれない。

 

年が暮れてやがて、また新しい年が明けようとしています。

本書を読み終えて、新しい年に変わるということ、生物が次世代に託す新しい命について、誰が意図したものではないが脈々と引き継がれていることに、とても厳かな~神秘的な~、何か(?)を感じました。

いつもの大晦日とはチョッと違う気持ちで、新年を迎えたいと思います。

 

本年一年間、誠にありがとうございます。

ごきみっつぁんな~、おゆるっしゅ~。