「信長死すべし」 山本兼一 

このタイトルと著者なら間違いないだろう~ということで読み出す。

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「本能寺の変」における明智光秀を扇動したのは・・・。

光秀ひとりが苦悩するものの、黒幕とその周りは謀反扇動~その事実が発覚した際の逃げ道を、いくつも周到に用意している。

最後にハシゴを外されてしまった・・・。

信長の棺」のような、意外な解釈は無かったが、登場する各人の心理がよく描かれていたと思います。

 

・・・光秀は、冷静にべつの角度から信長を眺める目をもっていた。

豊葦原の瑞穂の国を、まるで姿のちがう銭の国に変えようとしているのである。

天下に武を布くことで銭の国をつくり、その長者になろうとしている。・・・(P171)

 

銭の国・・・とは現代社会のことでしょうか?。

経済優先の結果、「国」の何かが、失われていくことを憂いているのかとも思う。

 

著者の 「火天の城」 「利休にたずねよ」 は作品、映画とも興味深く見たことがあります。 

ただし、断然!小説を読んだ方が臨場感がありオモシロイですね。

 

残念ながら、著者は昨年に他界されていたのでした・・・。

 

~人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻のごとくなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか。~