「東京劣化」 松谷明彦 著

著者は旧大蔵省主計官を始め、国の財政に関わる要職を歴任した、経済・社会基盤・財政のエキスパート。

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現在、日本中の人と富が集まる首都東京の30年後の姿は?。

今も起きている人口高齢化で税収が減る一方、社会福祉にかかる支出の増加に伴うサービス低下に加え、高齢による就業困難のため、賃貸住宅の家賃が賄えない住宅難民が社会問題化。

林立するビル群の4分の1がメンテナンスされず放置されてスラム化する恐れ・・・に驚愕。

衝撃的な内容が次々登場します。

現在は地方の衰退が喧伝されているが、30年後は東京の衰退がハンパない!。

オリンピックなんてやっている場合ではなく、その分を既存インフラの整備と今後必要になる生活インフラに使うべきで、そのツケは30年後にやってくる。

オリンピック狂騒の後に残る膨大なインフラをどうやって維持していくのか?。

政治は北京、経済はシンガポールがアジアの中心が既成事実で、東京証券取引所は国際市場相場を反映しているだけの「ミラー市場」であり、東京は世界の情報が集まらない「田舎の都市」・・・。

「地方」は消滅しない~とあるものの、耳障りのいい(?)、「コンパクトシティ」も整備のためのコストと、住んでいた土地を去らなければならない人の心情、というマイナスが伴うことに気付きました。

 

正直、東京一極集中に溜飲が下がる思いがある一方、東京の衰退=日本の衰退でもあります。

地方も同様でしょう。

加えて、30年の間に天災が起きたら・・・。

 

ここでも、経済・効率優先を見直すことが述べられていました。

まだ先の話、今ならいろんな対策が取れると思います・・・。