「一九八四年」ジョージ・オーウェル著 高橋和久訳

 

有名な小説ながら未読でした。

本書内に登場する、「ビッグ・ブラザー」という言葉のみ知っていたという状況です。

タイトル「1984年」は執筆当初(1948年)では近未来を表していたが、更に30年を経過した現代から見る「1984年」の世界観は・・・。

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地球上は、「オセアニア」「ユーラシア」「イースタシア」の3大勢力に分かれ、互いに戦争状態にある?ように言われている。

物語の舞台「オセアニア」は、イングソックというイデオロギーの下に「ビッグ・ブラザー」が統治し、真理省(報道・娯楽・教育・芸術)、平和省(戦争)、愛情省(法と秩序維持)、潤沢省(経済) の政府機関がある。

人々はテレスクリーンと呼ばれる機器から党プロパガンダ等の情報を得ながら、同時にモニターされている。

人々は「党内局」「党外局」「プロール(労働者階級)」に区別されている。

人々から思考を奪い去る「ニュースピーク」という言語が奨励されている。

「二分間憎悪」という、エマニュエル・ゴールドスタインなる人民の敵を罵る日課がある。

思想警察は、党に反抗する考えや行動をする人間を取り締まり・・・蒸発させる。

党にとって不都合な史実・事実は改ざんされ続ける。

 

以前読んだ、「華氏451」「チャイルド44」を思い出しました。

旧共産圏ではこうだった~と言われる世界観です。(事実は分からないが。)

 

長いモノには巻かれろ的に~、体制に溶け込めば、ある意味ハッピーエンド?な結末なのか。

 

ネット上から出てくる大量の情報に惑わされ、同時にそのやり取りは「誰か」に、モニターされている可能性大。

格差社会という言葉が一般化し、本書上の階級社会のような感じが・・・。

頻繁に使う、絵文字はニュースピーク?。

近隣某国の脅威等~悪者捜しに明け暮れる。

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過去になった近未来・・・というか、近似の現代のように感じたのでした。