「働くことがイヤな人のための本」 中島義道

なんてタイトル!な、哲学的人生論。

自分のことではアリマセン!(多分)。

 

仕事に生きがいを見いだせない4人(Aさん・Bさん・Cさん・Dさん)と、著者との会話を通して生きる意味(哲学?)に迫る(探す)。

4人のうち1人を除けば一般的にみて悩みは軽そう・・・。

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Aさん、この人が最もヤッカイ!。

あらゆる人間関係が煩わしく、組織にがんじがらめになって生きるのが恐怖で、会社員のような半奴隷(?)状態がイヤ。

誰ともかかわらずひっそり暮らしたい。できれば一生寝て過ごしたい。

そういう自分の希望にふさわしい場がないかどうか、来る日も来る日も考えているが、答えが見つからない・・・。

 

アホか!と一喝して更生すれば、このような本は必要ないか。

でも、決してレアケースではない、Aさんのような現状がタクサンあるのかもしれない。

 

・・・・考えてみれば、それによって生きがいを感じ、それによって生活の糧を得る一つの仕事を選ぶということは至難のわざだ。

近代社会においては、出自や身分によってではなく仕事によってその人の値打ちが測られる。

しかもただ仕事を続けていればよいのではなく、仕事においてたえず他人と競い勝ち抜くことが要求される。

これはたいへんしんどいことであり、膨大な挫折者が出てきて当然というものだ。

われわれは、この「当然」ということをしっかり見据えて出発しなければならない。

・・・・中略・・・・

・・・すなわち、人生とは「理不尽」のひとことに尽きること。

思い通りにならないのがあたりまえであること。

いかに粉骨砕身の努力をしても報われないことがあること。

いかにのんべんだらりと暮していても、頭上の棚からぼたもちが落ちてくることがあること。

いかに品行方正な人生を送っても、罪を被ることがあり、いかに悪辣な人生を送っても称賛され賛美されることがあること。

そして、社会に出て仕事をするとは、このすべてを受け入れるということ、その中でもがくということ、その中でため息をつくというなのだ。・・・・(P.46~47)

ミョウに納得、確かに理不尽かもしれない。

 

著者との対話は相手のすべてを受け入れ、肯定するところから始まります。

ココにすべての「答え」があるワケではないが、キッカケが潜んでいる。

哲学に少し興味が・・・。