文藝春秋9月号に掲載の 「スクラップ・アンド・ビルド」(第153回芥川賞受賞作)羽田 圭介 著 を読みました。

求職中の青年・健人と同居する祖父とのふれ合い?葛藤?が、ドロドロ&ナマナマしく描かれています。

これに健人の母親(実娘)が加わると、さらにドロナマなリアル感が増すことに。

 

小説・・・ということを差っ引いても、家族の本音、介護職員の本音、介護現場の現実がストレート(多分)に出てくる。

衝撃的であり、まさか?とも思うのは、真の現場を知らない者のたわ言に過ぎないのかも・・・。

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「早う迎えにきてほしか。」「毎日、そいだけば祈っとる。」

「健人にもお母さんにも、迷惑かけて・・・・本当に情けなか。もうじいちゃんは死んだらいい。」・・・と口癖のようにつぶやく祖父。

けな気な感じがするが、実際は・・・。

 

衰えいく祖父と、そうならないように身体を鍛える健人の対比が、おそらくタイトルの由来なのでしょう。

本作も、アッ!という間に読み終えました。

現代社会の暗部分が、スパッ!と描かれていて、いろいろと考えさせられます。

複雑な読後感。