「戦国武将」 小和田哲男

いろんな歴史小説に描かれる、上杉謙信・北条早雲・黒田長政・明智光秀・武田信玄らの「戦国武将」。

その「戦国武将」について、とりまく状況、組織、文武の実際を、史料に基づき検証する解説本。

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本書カバーの人物画は德川家康だと思われますが、本書では最後に少しだけ。

それも、「東照神君御遺訓」が、明治初年の旧幕臣による偽作では?ということで登場します。

 

歴史小説では抜群のリーダーシップと決断力をもって、幾多の難関を突破する「戦国武将」ですが、実際はどうだったか?。

単なる主従関係だけではなく、主君を船に見立て、家臣を水にたとえ、水があるからこそ船は浮かぶ!家臣あっての殿様ではないのか!と、ズバリ言い切る家臣も大勢いたようです。(毛利家)

そんな家臣の武将らを治めつつ、領土拡大をしていかないと家臣が他家へ移ってしまったり、家臣に主君の地位を追われたり~と、現代同様(?)に当時の主君もタイヘンだ・・・。

経済面に加え、直接に生命のやり取りも行われているのだから。

 

・・・とはいえ、多少創作はあっても歴史小説はオモシロイ!。

自分が出来ないことを登場人物に投影しているから?。

 

「東照神君御遺訓」

人の一生は重荷を背負うて 遠き道を行くが如し 急ぐべからず 

不自由を常と思えば不足なし

心に望み起らば 困窮したるときを思ひ出すべし

堪忍は無事長久の基 怒りは敵と思え

勝つことばかり知りて 負くることを知らざれば 害その身に至る

己を責めて人を責めるな

及ばざるは過ぎたるよる勝れり