「中世騎士物語」 ブルフィンチ 野上弥生子 訳

アーサー王と円卓の騎士・・・聞いたことはあるが、どのような人物の物語なのか?。

へえ~面白そう・・・くらいのノリで入手。

そもそも、全身を覆う重そうな鎧に身を固めた姿しか思い浮かばない「騎士」とは何ぞや?。

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~西暦五世紀頃、ローマ帝国が滅亡すると、北部ヨーロッパ諸国には国家的な政府はほとんどなくなったような状態になった。

多少とも勢力のある領主たちが、それぞれの領地内で権力を振って地方の政治を執り、たまに共通の目的のため団結することはあっても、ふだんは大方反目し合っているのが常であった。

・・・動機はなんであれ、とにかく弱いものを護ることを天職としている教会の影響があった。

最後にはいかに情欲や我意に晦まされていても、人間の心のなかには生まれながら宿っている正義感と寛大の中に、その抑制力は見出されたのであった。

この最後の原因から騎士道は起こったので、無敵の力量、勇気、正義、謙譲、長上に対する忠誠、同輩への礼節、弱者への憐憫、教会への献身等の諸徳を具備する英雄的性格の理想を造り上げた。

それはよしんば現実生活においては到達されないとしても、なお以って学ぶべき最高の典型としてみな人に承認されていた理想であった。~(P.13~14)

 

魔法使いや、竜(ドラゴン)が登場するファンタジー。

騎士同士の戦いは、文字通り互いに向き合い正面衝突し合う一騎打ち。

槍と盾が激しくぶつかる衝撃と、その音が聞こえてきそうで・・・、そして痛そう。

丸一日、格闘し合うという超人的な騎士たちばかりが登場します。

話題の映画、「スターウォーズ」のように感じる。

ただし、本書中身は単調で~血沸き肉躍る!ということはなかったのでした。(中だるみした。)

 

騎士道・・・という言葉はあるが、やっていることはかなり野蛮で、乱暴で支離滅裂なことばかり。

ヨーロッパ~英国の原点を垣間見た?。

 

とはいっても、日本神話に登場する神々も危なっかしいですけどね~。

自然に近い状態での人間の本質なのか。