「日本の祭」 柳田国男

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「海上の道」と共に入手した民俗学本です。

 

・・・古来伝承されてきた神事である祭。

その歴史を、「祭から祭礼へ」「物忌みと精進」「参詣と参拝」等に分類して平易に解説。

村落共同体の経験を持たずに社会に出ていく若者たちに向け、近代日本が置き忘れてきた伝統的な信仰生活を民俗学の立場から説く講義録。(本書カバー)・・・

 

昭和16年(1941年)秋に行われた、東京帝国大学全学教養部の教養特殊講演が元になっています。

その為、カバーには・・・平易に解説とありますが、難解でした・・・。

 

「諸君は小学校を出た十三、四の年から、いよいよ世の中に打って出る二十四、五歳の時まで、中には家庭から通っている人があっても、明けても暮れても学校の生活しかしていない。

全く通俗社会とは利害を絶縁した、同輩の中でばかり生きているのである。

そうして一方に争うべからざる一事は、親から子へ、祖父母から孫へ、郷党の長者から若い者へ、古来日本に持ち伝えた物心両面の生活様式を、受け継ぎ覚え込むのも、実はこの十年あまりの青春時代だったのである。」(P.23~24)

地域にもよるが、当時すでに若者たちの祭への参加が少なくなっていたのか~。

もっとも、自身の祭り体験といっても、神社境内の露店=お祭り、と思っていた程度なのですが。

 

観光化なんてモチロンされていない、神輿や山車もない、社や祠の傍に幟が立っているだけのような地域の小さな祭に「日本の祭」の原点があるようです。