「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」 水野和夫

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3年程前に読んで、チョッと衝撃的だった「資本主義の終焉と歴史の危機」の続編。

資本主義経済とグローバリゼーションの限界が見えて来た現在、国家は、地方は、企業は、個人は何をするべきか、どうすればいいのか?~という、壮大な問いかけです。

 

~資本主義の終焉によって、世界経済の「常識」が逆転した。経済成長を追求すると、企業は巨大な損失を被り、国家は秩序を失う時代になったのだ。生き残るのは、「閉じた経済圏」を確立した「帝国」だけである。~(本書カバー)

 

イギリスのEU離脱、トランプ政権樹立はグローバリゼーションを否定する動き。

世界に出ずに国内にこもることが未来の姿か?、全世界的引きこもり経済社会の到来。

 折しも、アメリカが地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を表明するといった報道が・・・。

また、地球上には化石燃料の埋蔵量は潤沢にあるが、それを採掘し利用場所まで移送するのにコストや環境負荷がかかり過ぎるうえに、テロリスクも~いずれは利用出来なくなる「エネルギーの壁」問題に衝撃を受ける。

天然資源・工場・市場が自らの手が届く範囲にある「閉じた帝国」を世界各国が求めるようになると・・・世界中が坂道を下っていくのか?。

小商いのすすめ」「里山資本主義」「下り坂をそろそろと下る」・・・の以前、読んだ本を思い出すのでした。

 

~たとえば、国家を自由に瞬時に超える巨額マネーについて、ひとつの国家ではまったく手に負えなくなっており、バブルを多発させたり、資源価格を高騰させたりする過剰マネーをコントロールする世界的な公的機関は存在しません。「パナマ文書」でその一部が明らかになったように、グローバル企業が租税回避手段を駆使していても、それを管理・抑制する「世界的公共性の担い手」はいないのです。それどころか、資本主義国家の中枢であるシティやウォール街がタックス・ヘイブン化しているのが現状です。~(P.181~182)

・・・みんなやりたい放題。

 

西欧では、土地や資源を蒐集(コレクション・収奪?)する歴史があり、それが資本主義の原点でもあるらしい。

その意味で「ノアの箱舟」のノアが最初のコレクター・・・という解釈は面白かった。

ノアという個人の行動から(旧約聖書の話だけど)現代社会の礎が出来たのならば・・・我々個人も、未来への行動を起こせば(先の長い話だけれど)未来の礎が出来る!?。