「縄文とケルト」―辺境の比較考古学 松木武彦

41iedoLtPaL__SX304_BO1,204,203,200_.jpg

ユーラシア大陸の正反対の位置にある日本とイギリス。

新石器時代、大陸では四大文明の地域のような「文明型」の社会が広まっていくなか、その果てにあった両地域は、「非文明型」の社会へと発展していった。

直接的な交流がないこの二つの地域になぜ共通性が生まれたのか?。また、同じホモ・サピエンスなのに、なぜ大陸とは異なる方向へ進んだのか?。(本書カバー)

 

それぞれ、大陸に近い島の原住民(?)が起こした、日本の縄文文化とイギリスのケルト文化を取り上げてます。

時代は前後するが、日本の古墳の石室のようなものが彼の地にもある。

大ブリテン島の各地の石の遺跡(ストーン・サークル等)を巡るのですが、場所がよく分からないのでネット上の地図で追いながら読むのでした。

さながら、ケルト遺跡観光ガイドブック。

それらの石の遺跡には、夏至・冬至といった太陽の動きを、生命の誕生と消滅~復活になぞらえて、祈りを捧げた痕跡があるらしい。

日本にある環状列石遺跡も同様のようです。

自然を畏れ敬うことが「非文明型」ということになるのか?。

ということは、日本は今でも「非文明型」社会ですかね。

 

ケルト文化や近代以前のイギリスに興味があることもあって読んでみました。

読みながら、写真でしか見たことのない、彼の地の風景を想像するのは楽しい。

荒涼とした風景に忽然と姿を現す巨石群・・・ファンタジーの世界感。

その地は、同時に有名なウィスキーの産地と重なるのでした。

是非、訪れてみたい~。