「あめりか物語」 永井荷風 作

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明治三十六年の秋十月の頃より米国に遊びて、昨四十年の夏七月フランスに向いて、ニューヨークを去るに臨み、日頃旅窓に書き綴りたるものを取り集めて、「あめりかものがたり」と題し、つつしんで、わが恩師恩友なる小波山人巌谷先生の机上に呈す・・・

 

明治36年(1903年)~1900年代のニューヨークを中心としたアメリカの風俗が描かれています。(ナイトライフ多し)

当時から意外と多くの日本人がアメリカに渡っていたのですね。

留学生・仕事~といった華々しいものから、単純労働や人身売買といった非合法なモノも。(留学生でもドロップアウトする者多し。)

現代ならば、差別用語扱いの単語や国際問題になりかねない思想続出!。

「あめりか物語」~のタイトルから、やさしい紀行文・文学作品かと思ったら、当時のアメリカのアンダーグランドが目立ったのでした。

ニューヨークのダウンタウンは、マサにいろんなモノの吹き溜まり!。

 

本書の初版(明治42年)が、いきなり発禁処分になったのも~ナルホド納得。