「農業を株式会社化する」という無理  これからの農業論

内田 樹・藤山 浩・宇根 豊・平川克美&養老孟司

51IaVi-8YmL__SX342_BO1,204,203,200_.jpg誤解を招くようなタイトルですが、農業法人を否定する内容ではありません。

畑や田んぼで獲れた作物の「なれの果て」が「我々」だという、当たり前の事実を再認識です。

小人数で運営して、効率や生産性が高いことが果たして「良い農業」「強い農業」なのか?。

農業に効率や生産性を求めてはいけない、そして利益も求めない・・・という主旨。

今までの経済常識に反旗を翻しているようにも感じる本書ですが、部分的には納得している自分がいます。

 

・・・農業の生み出す価値というのは、そういう経済指標では計れないものなんですよ。農業はもともと生産性の低い事業です。だから、たくさん人手が要る。その人たちが気分よく長期的に働けるような仕掛けが要る。農業を成立可能にするための仕掛けを整備し管理すること。それが参加者たちの人間的成熟を支援してきた。経済活動というのは、本来そこに参加するプレイヤーの人間的成熟を要求するものなんです。・・・(P.223)

仕掛け創り・・・大事です。