月別アーカイブ: 2020年7月
文月 晦日 手のひらの京
2020年7月31日 ブログ
「手のひらの京(みやこ)」 綿矢りさ
・・・京都に生まれ育った奥沢家の三姉妹。長女の綾香はのんびり屋だが、結婚に焦りを感じるお年頃。負けず嫌いの次女、羽依は、入社したばかりの会社で恋愛ざたといけず撃退に忙しい。そして大学院に通う三女の凛は、家族には内緒で新天地を夢見ていた。・・・(本書カバー)
京都出身の著者が描く家族のストーリーは、自伝的な部分も含まれている?。
鴨川の風景~祇園祭~五山送り火~紅葉~冬の嵐山といった季節感を感じる背景や、京都で海水浴といえば琵琶湖~といったローカルネタが読み手を「疑似京都在住の人」感へ誘います(自分だけか・・・?)。
四条通や先斗町の人混みを、ウロウロしている気になりました。
コロナ禍失せろ!早く自由に京都へ行ける環境になって欲しい!(だからタイトルで、本書を手にしていたのかもしれない)。
そうなれば、きっと奥沢家の美人三姉妹に会えるような気がするのでした。(^_^)/
少し落ち着いて ( `ー´)ノ
2020年7月30日 ブログ
極力~気にしないようにしているが、どうしても気になる~目に付く存在。
駐車場や路上の隅にあるタバコ吸殻・・・。
緑地帯~植え込みにも放り込んであります。
何故、捨てる?車内の灰皿や携帯吸い殻入れとかあるでしょ!。
自宅やその近辺でも同じことしているんですか?・・・〇〇〇警察と化す人の気持ちがとても、よ~くワカリマス。
1箱千円以上で販売すればゴミは減るでしょうか?。
数年前までタバコ販売をしていた立場で~その売上高に助けられたこともあるが・・・その枷が取れたと同時に嫌悪感が増しています。
本当にマナーは守っていただきたい!。
朝からチョッとテンション上がりました。(>_<)
他人に意見できるような立派な人物ではないが・・・。
落ち着け自分!。
邦人奪還
2020年7月28日 ブログ
「邦人奪還」自衛隊特殊部隊が動くとき 伊藤祐靖
・・・騒乱に乗じミサイル発射を企む北の軍部に対し、米国はピンポイント爆撃へと動き出す。だが、その標的近くには、日本人拉致被害者がー。日本は、この事態に対峙できるのか?政治家は、国民は、人質奪還の代償として生じる多大な犠牲を直視できるのか?そして、実戦投入される最強部隊の知られざる内実とは?特殊部隊・海上自衛隊特別警備隊の創設者が、政府の動きから作戦行動の詳細までを完全シュミレーションした、これぞ壮絶なリアル!・・・(本書帯)
尖閣諸島周辺での中国籍艦船の動きが活発になっている~との報道下、タイムリーな内容もあります。
冒頭の尖閣諸島~魚釣島へ隠密裏に上陸し、島内で行われる「処理活動」シーンでは、人物の息遣い、島の匂い、草や土の感触、温度、湿度~緊張感がリアル過ぎて、ドキドキしながらページをめくるのでした。
著者は実際に魚釣島に上陸したことがある!ので、この描写は実体験に基づきます。
この章だけで、情報量がとても多く~お腹いっぱい・・・満足?・・・。
具体的と思われる自衛隊の装備品操作や作戦中のサインやり取り、組織内の雰囲気もリアル~マサに壮絶なリアル(変な日本語・・・)。
政府内の動き、国際情勢の裏の裏の裏・・・また裏を、イッキに読み切りました。
どこまでが創作で事実とは重なる部分があるのか?事実ばかりなのか?創作であって欲しい部分も。
・・・「へえ、そんなもんか。じゃあ、相手の考えていることが聞かなくてもわかったりする?」
「はい、わかります。今、何に困っているのか、私に何を求めているのか、感じ取れます」
「ほお、夫婦以上だね」
「そりゃそうですよ。夫婦は一緒に生きるんでしょうが、我々は一緒に死ぬんですから」・・・(P.159)
・・・とても興味深く読み終えたが~著者の自己顕示を感じる部分が目だったり(多分)~、終盤が駆け足っぽかったので、チョッとモヤモヤ感が残りました。
いずれにせよ自衛隊員が訓練に励める期間が、ずっと続きますように!。
真夏の氷河期
2020年7月26日 ブログ
コロナ禍ここ最近、アパレル関連企業の破綻~店舗閉鎖の報道が目立ちます。
元々~アマゾン始めとするネット販売や、買い控えの流れに苦しめられていた中でのコロナ禍ショックに留めを刺された・・・。
今でも親しくさせてもらっている市内の商業施設管理会社の方との会話も、店舗が抜けても埋まらない・・・に加えて入居条件変更の要望続出・・・と、ぼやき節。
アパレルだけじゃない、商業施設の氷河期。
少しだけ、客観的に見ることができる立場に感謝しかありません。
しかし、将来的に何が起こるかワカラナイのです。
地球上に存在する限り、自然災害やパンデミックとは常に隣り合わせ。
束の間の環境に安閑としてはいられない。
流罪の日本史
2020年7月25日 ブログ
「流罪の日本史」 渡邊大門
・・・「ちくしょー、島流しだ」今でも企業などでは、人事異動の際にこうした言葉が聞かれるはずだ。この場合の島流しとは、文字どおり東京本社から地方の支店に配属されるような例に限らず、多様な意味を含んでいる。たとえば、同じ東京本社であっても、花形部署から暇な部署に追いやられることも意味しよう。
(中略)
およそ島流しになるのは、社長や上司が交代したときの人事異動、あるいは社長や上司と部下の折り合いが悪くなったことが想起される。社長や上司は、自分の意に沿わない部下を島流しにすることにより自らの権力を誇示しようとするのだろう。・・・(はじめに)
日本では5世紀ごろから流罪があったらしい。
死罪の次に重い罪であり、ときの政権に反発した政治家、文化人、宗教家などに適用された。
古い時代ほど、「島」でなくても交通の便が悪い辺境の地は、食べ物にも事欠く、物さびしい未開の場所で、華やかな「都」とは比べようがなく、流罪となった人々は再起する気力を削がれた・・・ようです。
流罪先や向かう途中で盗賊に遭ったり事故や故意?に亡くなることも・・・。
関ヶ原合戦後に、九度山(和歌山県)に流された真田昌幸・信繁父子は、ドラマや映画では虎視眈々と再起を図ったように描かれるが、実際はそれどころでは無かったような・・・後世の創作軍記のようです。
明治41年に現行の刑法が施行され流罪は無くなります。
交通手段の発展とともに流罪の意味は変わっていった。
外部や人との交流を断つことが「流罪」であるならば、コロナ禍の現在は緩やかな「流罪」なのかもしれない・・・。
反省・・・ン?何か悪いことした?。
やがて哀しき外国語
2020年7月21日 ブログ
「やがて哀しき外国語」 村上春樹
・・・本の中身を読んでいただければわかるように、僕は一九九一年の初めから、約二年半にわたってアメリカのニュージャージー州プリンストンに住み、そのあと二年間をマサチューセッツ州ケンブリッジに住んでいました。この本は、そのうちのプリンストン時代のことを書いたものです。
文庫本になる現在の時点(一九九七年)でもう一度読み直してみると、「いろんなことがずいぶん変わってしまったな」とつくづく実感します。ほんの五年か六年のあいだに、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本のバブル経済は今では完全にはじけてしまったし、どん底にあったアメリカの景気はなんとかしっかり持ち直してきたし、おかげでー喜ぶべきか悲しむべきかー当時の厳しい「ジャパン・バッシング」はもうほとんど姿を消してしまった。変われば変わるものです。・・・(まえがき)
今から30年近く前の本書内容です。
当時の自分は何をしていたか・・・を重ねて、思い出しながら読みました。(まったくレベルが違うのですが。)
「ブルックス・ブラザーズからパワーブックまで」の章が、偶然にタイムリー。
この辺りから(当時から)ブルックス・ブラザーズも、自分も「伝統」という言葉で思考停止していたのかもしれないな・・・。
パワーブックは使ったことないが、アップルは今でも最先端。
(まえがき)にもあるように「いろんなことがずいぶん変わってしまったな」とつくづく痛感します。
ハルキ・ツーリズムをしようにも、海外へ自由に渡れるのは果たしていつになるのやら・・・。
こういう紀行文?エッセイでその気分を補充しようか。
作者の言う「哀しき外国語」とは、これも月とすっぽん以前のレベルですが・・・。
コロナの衝撃
2020年7月18日 ブログ
「コロナの衝撃」感染爆発で世界はどうなる? 小原雅博
・・・新型コロナウイルスとの闘いを通じて、私たちは多くのことを学ぶはずだ。重要なことは、それを社会で共有し、そう遠くない将来に出現するであろう新たな感染症の流行に備え、必要な意識改革と具体的な行動を起こすことである。それこそが、感染症克服に近づく道である。・・・(本書カバー)
経済対策へシフトしている現在のコロナ禍対策。
本書でも感染症対策と経済対策の両立が容易でない事が、切々と述べられています。
仮に日本国内で終息しても第2~3波襲来や、新たな感染症の感染爆発の可能性は十分あり得る・・・。
国際協調の下、全世界で対策をとる必要があるが~どの国も自国一番で旗を振らない、Gゼロの世界。
日本が自ら買って出ることを説くが・・・?。
(前述に続けて)・・・スピード、透明性、科学に基づく正確なコミュニケーション、資金、政治的勇気、自由と安全のベスト・ミックス、グローバルな公衆衛生の連携と協力、そして想像力。
最後の想像力について、一言補足しておこう。毎日発表される感染者と死亡者の数字の向こうにある恐怖や苦闘や献身や悲しみを想像してみてほしい。そんな想像力があれば、政府の強制ではなく自らの意思で行動を律し、利己ではなく利他につながるはずだ。国民の多数が想像力を高めることで、感染症に対する社会の強靭性も高まる。・・・(P.180)
観光地や飲食店への人出が増えた~との報道で、当地においてはコロナ禍という嵐が通り過ぎた・・・感も多少ありますが、本書を読めばまだまだこれから~引き締まります。(強制的に?。)
GoToキャンペーンの件もあるし。