月別アーカイブ: 2021年4月
卯月 晦日 我慢は続く
2021年4月30日 ブログ
大都市圏でコロナ禍による緊急事態宣言が再び発令されたり、県内でも飲食店時短営業要請・・・と、残念ながら今年もGWはガマンウィークとなっています。
宣言外エリアも、自粛ムードとなるでしょう。
さらに経済への悪影響が拡大する・・・。
昨年は、1年後には・・・との希望観測もあったが、ほとんど変わっていません。
逆に、昨年に比べてワクチン接種が始まったこともあり~緊張感がやや薄まっているのかも。
得体の知れないウイルス・・・から、対処法が明確になってきたためでもありますが。
・・・いずれにせよ、まだ当面(2~3年?)は現状が続くと思われます。
結局のところ、一人一人が、ガマンするところは我慢し、コロナ禍押さえ込みに協力していくしかないようですから。
ネコマタ・福猫
2021年4月29日 ブログ
日経紙連載「日本史のネコ」十選(2)
「金地螺鈿毛抜形太刀」
奈良・春日大社に伝わる~平安時代の神宝太刀の鞘にある竹林に遊ぶ雀を追い捉える躍動感あふれるネコ6態。
こっそり近ずく~狙う~追う~とびかかる~捉える~逃げられる?。
ここにも「竹に雀」がありました。
春日大社なのに鹿モチーフではなく猫なのです。
神宝に存在するくらいなのでネコマタ様かもしれません。
また、同日に掲載された「ミチクサ先生」(310)のイラストにも猫がいました。
これは爪まで黒く、居ついた家に金運を呼び込む「福猫」だそうです。
マサに、日本史のダブル・ゴールデンラッキーキャット。
クララとお日さま
2021年4月28日 ブログ
「クララとお日さま」 カズオ・イシグロ
・・・人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。愛とは、知性とは、家族とは?・・・(本書カバー)
「お店」で、早く引き取って(買って)もらおうと、AFたちは愛嬌をふりまき、気に入られようとするが・・・。
店頭で子どもとAFが購入約束をするが、子どもは気まぐれで新型や他のAFに興味が移ってしまうこともある。
幸運にも家族に引き取ってもらえても、全てのAFが家族とのいい関係を築けるとは限らない・・・。
「お店」のショーウィンドウに並べられるAF(子供型太陽光駆動式人工知能搭載友達ロボット・・・だと思う)たちの光景と、AF同士や「店長さん」とのやり取りは~ペットショップにいる動物たちを連想してしまい切なくなります。
動物たちもAF同様に観察し学習し、会話していると思うので・・・。
また、物語では詳しく語られていないので、そうではないAFもあるのかもしれないが、引き取り先の子どもの成長にしたがって~やがてはお払い箱になるのも、切ない。
人工知能の中身は引き継がれるのだろうけど・・・(ビッグデータとして蓄積される?)。
子供型ロボット・・・やや不気味な姿を想像していたが、上記の冒頭の店頭シーンで、そのイメージは払拭です。
アトム~ドラえもんみたいな感じとも違うが。
そして、物語の近未来では子どもたちに「向上処置」という遺伝子編集が行われて、未処置だと進学もままならないという格差社会が進行している。
そもそもAFを購入できるのは限られた人々のはずだし、AFが必要とされるほどの少子化が進んでいるのかも。
この辺りは「わたしを離さないで」の世界観。
クララが嫌う「クーティングズ・マシン」という用途不明の機械は、近未来社会の問題点を象徴している存在なのでしょう。
このように科学は究極の進歩?を遂げてはいるが、ヒトが忘れてしまった祈り~AFであるクララの信じる気持ちによって希望の光が射しこむ。
ディストピア小説?でも、空には「お日さま」が輝いているのでした。
働くネコ
2021年4月27日 ブログ
日経紙連載「日本史のネコ」十選(1)
梅堂国政「蚕やしないの図」
・・・猫はかわいい。そう思って見れば、描かれた猫もかわいい。しかし半面、他の事柄から注意を逸らし、かわいいものとして見るように、方向づけられてもいる。描かれた猫たちを通し考えてみよう。・・・
また、面白そうな十選が始まっています。
養蚕の諸段階、製糸、機織りまでの工程を描く、蚕織錦絵と呼ばれるこの絵は、技術への興味・工程を理解させる教育的効能と担い手としての女性を結びつける社会イメージがあったらしい。
ネコは蚕の天敵であるネズミ除けの役割があるというが、でも~肝心のネコは何処?。
凝らして見ると、絵の左側に貼ってありました。↑
これは、まじない的な感じですかね。
絵を見る限り華やかな感じもするが、実際は過酷な労働環境だった・・・。
ひょっとしたらネコが過酷さを紛らわせてくれたのかもしれません。
でも、実際にネコがいると仕事にならないような気もします。
老子の思想
2021年4月25日 ブログ
日経紙連載「ゆる~ぃ江戸絵画」十選(10)
仙厓義梵「老子図」
・・・絵の上手・下手は、ある特定の物差しからそう言えるにすぎないし、下手だとされる絵が人の心をつかむこともある。ならば絵の価値とは何か?ひいては、1つの物差しを疑わずに縛られていて良いのか?仙厓の絵には禅僧ならではの問いが込められている。・・・
作者~禅僧である仙厓義梵(せんがいぎぼん)の描き方は、禅思想を表わすようです。
・・・美を見た時、美しいと思うから醜いという意識が生まれる。善を見た時良いことだなあと思うから善ではないという考え方が生まれる。
美と醜、善と不善、困難と容易、長いと短い、高いと低い・・・すべては比較によって生まれてくるのだ、ということを言っているのです。
互いの比較から価値観が生まれる。
そしてその価値観で規定されたものは移り変わる。
永遠に一定ではない。
そんなものに心わずらわされることはない、と老子は言うのです。・・・
老子の思想を調べてみたら~反権威的な内容が多かった。
下手とか上手いとかの基準は一律ではない・・・「ゆる~ぃ江戸絵画」十選の選者は、このことを言いたかったのか。
ユル絵は、ただ単にゆるいのではない!~勉強になります。
面白そう!で始めた「ゆる~ぃ江戸絵画」十選のすべてを辿ることができて良かった・・・。
竹雀でございます
2021年4月24日 ブログ
日経紙連載「ゆる~ぃ江戸絵画」十選(9)
徳川家光「竹に雀」
江戸幕府の第三代将軍 徳川家光が描いた絵だそうです。
最高権力者が描いた、決してゆるくない絵。
「竹に雀」は画題でもあるし、取り合わせの良いことの例えでもある縁起物(お囃子にも竹雀(たけす)があります)。
家光の絵は20点ほど有り、多くは信任の証しとして大名に下賜された。
高名な画家に描かせた物ではなく、自ら描いた絵を配下の大名に渡すことで結束を強めると共に無言の圧力もあったのでは・・・。
経済的価値や上手下手を超越したユル絵は、間諜や監視カメラを超えた効力があったと、お察し致します。
深夜残業
2021年4月23日 ブログ
「深夜残業」竹内謙礼
・・・ハマヤ水産に勤める飯尾は残業時間ゼロを目標に、子会社の米菓メーカーに出向を命じられる。ともに業務改善に取り組むのは、何よりも無駄を嫌うコンサルタントの栗林。現場との板挟みに苦しむ飯尾をよそに、社長の鶴の一声で残業禁止の方針は過激化する。・・・(本書カバー)
著者(コンサルタント)のメルマガで紹介(セールス)されていたので読んでみました。
重いタイトル?なのにコミカルで「働き方改革」~難しい課題に楽しく?取り組む「亀岡堂」の社員たちが描かれる「エンターテインメントお仕事小説」です。
それなのに、M&A、業務改善、コーチング、CSR、BCP・・・と、かなり盛りだくさんな内容。
・・・「仕事ってさ、本当は会社のためでも、自分のためでもなく、お客さんのために働くものでしょ。お客さんにどうしたら喜んでもらえるか、それを考えれば会社からも追い込まれることもなかったし、自分自身を責めなくても済んだんじゃないかなって思うの」・・・(P.222)
なぜ働いているのか?なぜその仕事なのか?。
平易な文章の中でも「仕事」の根幹を考えさせられます。
残業疲れの時にサッと読むといいかもしれません。(^-^)
リスケお願いします?
2021年4月17日 ブログ
「〇月△日の予定を翌週にリスケ可能でしょうか?」・・・とのメール。
翌週でも大丈夫ですよーと返答したが、えー!リスケってこういう使い方もあるのか?!と驚く。
リ・スケジュール(reschedule)の略なんですが、金融機関に対する返済予定変更・・・ネガティブな意味合いで使う用語だと思っていました。
確かに予定変更なんですけど。
そんなに気軽に使う言葉じゃないと思っていたが、時代は変わりつつあるのか。
リスケすることで、○○さんの利(都合)を助けて調整することになるのでした。
自利とは利他をいふ。
きんたろう
2021年4月16日 ブログ
日経紙連載「ゆる~ぃ江戸絵画」十選(5)
忍頂寺静村「坂田金時図」(部分)
右側の黒衣装が坂田金時(金太郎)、中ほどに膝をつく村人2名、左側に這いつくばる熊~近くに鹿、猪、猿、山羊、兎。
かつては?足柄山で、マサカリ担いだ金太郎が熊にまたがって動物たちと遊んでいた(童謡の世界)が、後に源頼光四天王として酒呑童子退治等に活躍、有名な武将となる。
~坂田金時・故郷の足柄山に凱旋の図のようです。
金時は赤ら顔?のようでご機嫌。
描かれた人物や動物の大きさは、権力や強さを表しているのでしょう。
「オイ、クマ!息災か?」「ハッ、ハハーッ恐悦至極に存じます」・・・。
絵画の中ではどのような会話が交わされているのか想像・・・聞こえてくるようです。
ユル絵ながら、絵の中ではしっかり階級社会が描かれている。