老舗
石川県中小企業家同友会主催で来月開催予定のフォーラムについて、プレ報告会に参加。
報告者は株式会社マルキチ 代表取締役社長 木村顕治さまです。業務用油脂、業務用食品、業務用洗剤の卸業を営んでいらっしゃいます。
わざわざ、大阪からお越しいただきました。
会社の歴史は元禄2年(1689年)まで遡れる老舗企業。ご本人は13代目に当たるとか。
安泰~のイメージが強い老舗ですが、戦時中は空襲で全てが焼失、また10年ほど前の事業承継と、ほぼ同時にいわゆる貸し渋り・貸し剥がしに遭い企業存続の危機に瀕したことも・・・。
幾多の苦難を乗り越えて来れたのは、歴代のご当主の尽力もありますが、その根底には代々伝わる家訓があるようです。
~丸吉家訓~
一、本家、分家ならびに親類に至るまで大切にし、お互いに仲睦まじくすること。
一、本家の名義人(当主)が何事であれ相続人としてふさわしくない事情がある場合には、
誰か適当な者を人選して跡を譲るようにせよ。
一、油商売は先祖から大切に譲り受けてきた商売であるから必ず大事にして継続するようにせよ。
一、普請(家屋の新築・改築)をする場合には質素に行うべきで、入念にするのはよろしくない。
また家計は倹約を守って正しく行うように。算盤、習字、文章、読書は稽古すべきであるが、
その他の諸芸、稽古事は無用である。
これらは渡世や商売の妨げであることをしっかりと覚えておくように。
一、他人や懇意の者はもちろんのこと、たとえ親類・身内の者でもその金の借用証文に連帯保証人として判を
捺すことや奉公の際に身元保証人になるようなことは決してしてはならない。
これはお互いさまのことなので、人に対しても頼まないように。
一、店のものは身分不相応の品物を所持してはならない。何事も粗末な品で済ませ、質素にするようにかねて
申し付けておくこと。
一、本家の子孫が永く繁栄するならば、別家までも永続するであろう。
これは根元がしっかりしていれば枝葉も良く繁るのと同じ理屈である。この理屈を良く心得なくてはならない。
一、正しい道を踏み外さずに互いに商売に励んで、大晦日を安心して越し、
翌年の正月にはめでたく会合するようにしなければならない。
右の箇条を、親たちから申し聞かされたようにしっかり守ること。
特に気になるものを抜粋させてもらいましたが・・・沢山になってしまいました。
どこかで・・・聞いたことあるようなことも書いてあります。耳が痛かったり!。
綿々と引き継がれている”家訓”は、ご当主を始めとする働いている方々に、語らずとも影響を及ぼしています。
東日本大震災でメーカーさんの商品供給が不安定になった際も、培ってきた信頼関係で優先的に商品を融通してもらったとのこと。(これまで業界では、バカ正直・くそ真面目と半場揶揄されていたといいます。)
現社長が作られた経営理念も家訓に基づいており、理想的な企業だと感じます。
さて、いい話やった~で終わらないように・・・・。