商人五行

中風亭腰抜(ちゅうぶうていこしぬけ)という方が、商人五行(あきんどごぎょう)について書いています。

五行とは、用心・孝行・忍耐・倹約・勤勉のようです。

 

用心・・・第一は火の用心なり。

我が家が火元の火災になれば、七世代にわたって浮かばれることは無い。

財産を失い、人に恨まれ、御上より咎(とが)めをうける。

たとえ我が家一軒といえども、御近所に迷惑をかけ、御上の手を煩(わずら)わすことになる。

万々用心せよ。

 

孝行・・・自分の今のあるのは両親のおかげなり。

先祖や両親の築きあげてきた家業の基(もとい)は動かしてはならぬ。

商家にはおいおいと繁盛する家あり、また店を終う家あり。

全ては主人の心掛け次第なり。

商人なれば商いに精を出し、職人なれば腕を磨くことに精を出すがよし。

よく努めさえすれば、成せぬことはない。

 

忍耐・・・よく忍べ、しのびがたきを忍ばすば、誠の忍ぶことにならずと。

堪忍は大事なり。商人は上下四方みなお得意様なり。

いろいろ言われることに商いの秘訣あり。怒らず、言い訳せず、誠の心で聞くべし。

幸運にて繁盛している家あるともうらやましがらず、足元を見て努めよ。

上ばかり見ていれば、顔に鳥の糞を食らうとも限らぬ。

これを世間は足元も見えぬたわけ者と言う。

 

似たようなことは、以前にも聞いたことがあるような気がします。

あらためて、この五行が目に入ったということは、忘れてはいないか?気を付けているか?・・・との天(?)の差配なのでしょう。

 

作者の詳細は分からないですが、五行を忘れたり実践しなかったら、名前通りになるぞ!との意が込められているのですね。

 

To be continued・・・・。