ハリボテ農業
本日11月20日(火)は設備点検のため、1階部分は休館とさせていただきます。
ご迷惑をお掛け致します。
なお、地階とクリニック棟は通常通りの営業となっております。
さて、Facebook上で紹介されていた「日本農業への正しい絶望法」神門善久(ごうどよしひさ)著を読みました。
なかなか刺激的な帯が付いています。
~日本農業は、よい農産物を作るという魂を失い、宣伝と演出で誤魔化すハリボテ農業になりつつある。
よい農産物を作っても、消費者の舌が愚鈍化しているため、善し悪しがキチンと評価されないことで、農業者の耕作技能への関心が薄らいでいる。~と日本農業への警鐘を鳴らしています。
スーパーで表示されている「***さんが作った野菜・・・」や、農業への新規参入等、農業ブーム全体も批判の対象。
農家(生産者)・JA・地域の農業委員会・行政・マスコミ・流通関係・消費者・・・全ての関係者に原因があり、現在の日本農業がハリボテ化している。
読者の立場によっては、当然に著者批判したくなる内容もあると思われます。
書かれていることが、正しいとか間違っているということではなく、こんなにも問題・課題を抱えているという現実を知る機会となりました。
舌の愚鈍化を食い止め、本来の能力を回復できるかどうかは消費者の意欲次第。
大人の食生活の乱れが社会的遺伝として味覚・生活習慣の形成期の子供に及ぼす影響についても書かれています。
その中で、家族の団らんや「メシがうまい」ことが、一番の「人生の幸福」である・・・と書かれていたのがとても印象的でした。
自称、食いしん坊としては、食べ物自体もそうだが、食事のTPOの方が大事だ!と勝手に思い込んでいたので、大納得。
最後まで、とても興味深く読めました。
食べ物に関わることなので、是非、多くの方に読んでいただきたいと思います。
いつも素晴らしい本を紹介してくださる、Yさま~ありがとうございます。