ラスト・ゼネラル

「最後の将軍 -德川慶喜-」 司馬遼太郎 を読みました。

明治維新直前ということもあり写真等の記録も数多く残っているのにも関わらず、個人的には日本史の中では、もっとも馴染みがない時代背景の物語です。

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德川慶喜というとマサに本書タイトル通り、德川幕府最後の将軍で大政奉還を行い、自ら幕府を消滅させた・・・ということしか知らないのでした。

どちらかというと、政権を投げ出した~というマイナス面のイメージが強かったが・・・。

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「われらの見込みは、これよりほかにない」

「むしろこの判断こそ、神祖(家康)のご盛業を継承する唯一の道である」

・・・「いま天下の諸侯はもはや戦国のころのように割拠している。幕府の威令おこなわれず、召せども来ぬ。このままでゆけば日本は三百の大小国に分裂するほかない。德川家が政権を返上さえすればそれが一つにまとまる。すべては天下安寧のためでである。神祖は三百年以前、天下安寧のために業を創められた。いま天下安寧のために政権を棄つ。神祖の御志とおなじである。棄てもってそのご遺志を継ぐことになる」

 

命の危険も多分にあった。

大政奉還後も辞官納地(将軍職を辞し德川家所領地全てを新政府に譲る等、政治的に黙殺)があった。

しかし、抵抗することなく従う。

この間まで、勢力は落ちたとはいえ、国内での最高権力者であったのに・・・。

 

引き際の美学?と捉えれば格好イイが、上手く立ち回ることも出来たのではないか。

と、思うことは下衆の勘ぐり?。

 

混乱混迷の時代に必要とされた、本来の貴族だったのか。