架空通貨
「架空通貨」 池井戸 潤 著を読みました。
タイトルから想像してしまう、ビットコインの話ではありませんでした。
人気作家さんの10年程前の作品です。
会社・金融機関が絡み合う展開は定番。
本作はサラに地域が加わっています。
某県内にあるという田神町は、「田神亜鉛株式会社」の企業浄化・・・いや城下町。
町全体の経済規模が700億円で、この企業だけで6割近い400億円の売上を占める。
協力企業や、その下請け孫請け企業群の頂点に立ち、完全に町を牛耳っています。
そこでは、「田神亜鉛協力振興券」という企業群内で流通する通貨のような存在があった・・・。
ちなみにパレットは商品券を発行していますが、館内利用のみです。
買い物したりサービスを受ける際に、お金の代わりになりますが本体利用は一回だけで、流通しません。
そして、北陸財務局への届け出が毎年あったり、シッカリと行政の管理下にあります。
田神札と呼ばれるこの券は、このような管理の元では無かった?。
社会問題にも成らなかった?。
問題視したら、この町にはいられなくなるのか・・・。
スイスイ読めましたが、現実離れしたような展開やツッコみどころも~チラホラ。