百閒(ひゃっけん)

東京日記 他六編 内田百閒作。

初めて手にして読んでみました。

文学史に登場するような大正期~昭和初期が舞台の作品は、当時の服装・飲食物・交通手段・家屋等の日常生活が描かれているのが面白い。

話のテンポもゆっくりした感じなので読みやすいと思います。

言葉使いは、現代より丁寧です。(スローに感じるのはこのためかもしれない。)

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そんな見方で読み出した本作品だったが、次第に?が乱舞し出すことに。

日常の中に突如ひらける怪異な世界・・・とカバー裏にあったが、マサに不思議な世界のオンパレード。

魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)するトワイライトゾーンです。

特にタイトルの「東京日記 その十」に描かれているのは、九段の富士見通りから見える噴火中の富士山!。

その光景は噴煙が立ち上る・・・というのではないが、夕暮れ時に山のカタチが赤く浮き上がる描写はとてもリアル!に感じます。(かえってコワイ・・・。)

 

あらゆる面から人間社会をみると怪異な世界に見えてくるのでしょうかね?。