ゴリオ爺さん

作者名だけ知っていて、読んだことがない作品は膨大にあります。

その中の一つ、「ゴリオ爺さん」 バルザック 平岡篤頼 訳

佐藤優が推薦していたこともあり、本書を手にしたものの果たして読み切れるのか・・・の不安が過るが・・・。

本帯コメント、「働いて金持ちになるより資産家の娘と結婚すべき?」が挑発的。

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奢侈と虚栄、情欲とエゴイズムが錯綜するパリ社交界に暮す愛娘二人に全財産を注ぎ込んで、自らは貧乏下宿に住むゴリオ爺さん。

その姉妹の妹に取り入り社交界での栄達を夢見る、同じ下宿の法学生ウージェーヌ・ド・ラスティニャックを始めとする個性的な下宿住人を取り巻く物語です。

優雅に湖面を往く白鳥が水かきを懸命に動かしているように、華やかにみえる社交界も、各人はヤリ繰りには大変なのでした。

ゴリオ爺さんは愛娘のために次々とナケナシの財産を注ぎ込み、やがて心身も衰えていく。

終盤に噴き出る人間のドロドロ面と、愛娘の幸せを最後まで信じようとするゴリオ爺さんの葛藤を描く怒涛の展開に引き込まれました。

 

人間の愚かさを描く喜劇とも悲劇との読み方も出来る。

丁度、読むべきタイミング?で読めた本かもしれない。

自分は登場人物の誰に近いのだろうか?。

読後感がやや重いのでした。

 

150年近く前の話だが、現代でも人間は何も変わっていないのだな・・・。