日の名残り
次回の読書会の課題本になる予定の本。
執事の話らしい~ということしか知らずに読み出す。
・・・執事(steward)、身分の高い主人の側近で家政を取り仕切る役・人。
全く馴染みのない職業だが、現代でも存在するのか?。
~品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々~。
過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸の中で生き続ける。~(本書カバー)
20世紀に起きた欧州での2つの大戦を通じ、話し合いでの平和を目指したダーリントン卿だったが、結果は歴史の通りとなり、卿自身もダーリントン・ホールと呼ばれる邸宅を手放すことになってしまった。
大英帝国の余韻が残る古き良き時代の様子が、うかがえて面白い。
著者の創作だと思うが、近似の史実はあったのかもしれない。
そして、ミスター・スティーブンスのクルマでの旅程をググってみました。
本書中の描写と実際の画像を見ながら、イギリスを旅した気分を少しダケ。
実際に、このような「日の名残り」ツーリズムというのも面白いかも。
でも、素晴らしい英国の田園風景を行く・・・なんて夢のまた夢~。
過去を振り返っていても仕方がない、執事も、我々も何でも時代に応じて未来を見据え、変化していかなければいけないのでした。