アホの壁
以前、「バカの壁」(養老孟司)がベストセラーになりました。
読みましたが、なんだか期待した?内容と違い難解だったことしか憶えていません。
・・・店の書棚で他の本を探している時に見つけたのがコレでした。
「アホの壁」筒井康隆 著
著者のブラックユーモア満載小説しか読んだことがないが、先ずタイトルに惹かれました。
・・・小生が考えた「アホの壁」とは、養老さんの「バカの壁」のような人と人との間のコミュニケーションを阻害する壁ではなく、人それぞれの、良識とアホとの間に立ちはだかる壁のことである。
文化的であり文明人である筈の現代人が、なぜ簡単に壁を乗り越えてアホの側に行ってしまうのか。
人に良識を忘れさせアホの壁を乗り越えさせるものは何か。
小生はそれを考えてみようと思ったのだ。・・・(序章 なぜこんなアホな本を書いたのか)
「バカの壁」に期待したことが「アホの壁」には書かれている!。(多分)
「過去の政府談話を踏襲する」の「とうしゅう」を4回も「ふしゅう」といった某日本国総理大臣は、「そんな古い発言、すでに腐臭を放っておるわい」と言いたかった・・・と分析する「フロイト的アホな間違い」に納得?です。
アホな間違いや行動・発言には本人の深層心理が反映される。
どんな知的な人であっても、アホの壁を乗り越えた場合はやはりアホということになる。
我慢の限界がつまりはアホの壁ということになるだろう。(P.117)
そう、誰しもアホになる時があるのです。
アホを装っている方もいるかもしれないが、真正のアホにもなります。
全編を通じて様々な「アホ」が描かれる、「アホ」を称える本でした。
アホ万歳。
決して柳の下のドジョウではない、筒井流「アホ(バカ)の壁」でした。