お金から見える江戸の人間模様

「江戸の経済事件簿」 地獄の沙汰も金次第 赤坂治績

著者は歌舞伎・浮世絵をはじめとする江戸文化研究家です。

時代劇や小説だけでは分からないリアルな江戸のくらしを解説。

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義理人情に篤い社会で、多くの庶民は、落語「芝浜(稼ぐに追いつく貧乏なし)」・「文七元結(金より尊いものがある)」のように、健康的な金銭感覚を持っていたようです。(願望も含む)

その一方で、副題の「地獄の沙汰も金次第」や、「金さえあれば天下に敵なし」・「金の切れ目が縁の切れ目」の、ことわざは江戸時代の世相を、とてもよく表しているという。

江戸は現代並みの資本主義社会であったし、「金が恨みの世の中」・「金はあの世の土産にならぬ(生きている間に有効に使ったほうが良い)」といった、まことに醒めた金銭感覚も。

 

~時々の政権に取り入って、材木・米売買・海運~と拡大していき、豪商となった上方の淀屋は、宝永2年(1705年)に「驕奢(きょうしゃ)」、驕り高ぶって贅沢をしたという理由で、幕府から闕所(けつしょ・全財産没収)のうえ所払い(追放)を申し付けられて、何とも理不尽なカタチで没落。~

 

本書内で、とても印象に残ったエピソード(事件)です。

各大名に多額の貸し付けをしていたので、その帳消しを図ったのが真実らしいが・・・。

権力に近づき過ぎるとイイこともあるが、危険も高まっていくのは現代でもそうなのか?。 

・・・コワイ話。