時の流れに、身をまかせ~

第154回芥川賞受賞作 「死んでいない者」 滝口悠生

異類婚姻譚」から続けて読んでみる。

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タイトルは、亡くなっていなくなった人ともとれるが、内容からすると残された人々。

お通夜の席の~コレって、あるある~を集めたもの?。

お通夜の席~終了後の出来事から、集まった親族や近所の人々の回想からなります。

シンミリした内容かなと思いきや、リズミカルでテンポのいい展開が今風。

 

・・・押し寄せては引き、また押し寄せてくるそれぞれの悲しみも、一日繰り返されていくうち、どれも徐々に小さく、静まっていき、斎場で通夜の準備が進む頃には、その人を故人と呼び、また他人からその人が故人と呼ばれることに、誰も彼も慣れていた。

人は誰でも死ぬのだから自分もいつかは死ぬし、次の葬式はあの人か、それともこちらのこの人かと、まさか口にはしないけれども、そう考えることをとめられない。

むしろそうやってお互いにお互いの死をゆるやかに思い合っている連帯感が、今日この時の空気をわずかばかり穏やかなものにして、みんなちょっと気持ちが明るくなっているようにも思えるのだ。・・・(冒頭部)

 

実際、こういう時しか顔を合わさない親戚っているかも。

上手く?周囲に合わせながら、お互いに誰だっけ?と思っているでしょう。

集まる全員が同じ様な境遇とは限らず、様々な人生模様が赤裸々に現われることもある。

 

仏事は、故人のお導きによって親戚縁者が集まる機会・・・と法話で聞いたことを思い出しました。