弥生 晦日 (著者 吉村 昭)

昨日(30日)の「お客様特別ご招待会」には、大勢の方にご来館いただきました。
誠にありがとうございます!。
 
 
「三陸海岸大津波」 吉村 昭
 
購入したのではなく借りた本。
原題 『海の壁-三陸沿岸大津波』 1970年7月刊   「三陸海岸大津波」 1984年8月刊 です。
そして文庫化されたのが、2004年。
 
前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。
この歴史から学ぶものは多い。(本書カバー裏面)
 
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明治29年(1896年)6月15日、昭和8年(1933年)3月3日、昭和35年(1960年)5月24日に三陸地方を襲った大津波について克明な調査に基づいて書かれています。 
 

・・・1958年7月にアラスカのリツヤ湾を襲った津波は史上最高のもので、500メートルの高さに達したという。・・・
「津波の歴史」章にある、この一文に戦慄しました。
これら自然の脅威には全く人知の施しようがない。
 
実は本書を借りたものの、東日本大震災の津波記憶が鮮明なので、なかなか表紙を開けなかった。
思い切って?読みだす。
読むのならば、3月中に・・・という思いもありました。
読み進めるとどうしても、大震災時の津波映像が過ります。
中でも、昭和8年大津波後に書かれたという子供たちの作文の数々は、その映像と相まって心に迫るものがありました。

 

 
記録がある限り、古くは貞観11年(869年)から、度々大津波に襲われている三陸地方だが、風光明媚で豊かな海産資源に恵まれているために人々は住み続ける。
そして、津波との戦い~被害を抑えるための壁や避難道を築き、高台に住み、避難訓練を繰り返す~。
おそらく・・・住み続ける限り。
 
もし、著者がご存命ならば・・・どのような続編を書いたであろうか?。