ウチナーンチュ
自らは、まず手にすることのない本です。
でも、読んでみたら意外?にハマった。
知らないことが山盛りです。
「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか」 安田浩一
沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。
“嫌沖”の声に、現場記者・沖縄の人はどう答えるのか?。
基地賛成派の意見を封殺している。
事実を捻じ曲げている。
『偏向』との批判がつきまとう沖縄の新聞報道。
沖縄の新聞ー琉球新報と沖縄タイムスの記事は本当に『偏向』しているのか。
日本国土の0.6%の面積に、73.8%の米軍基地が存在する沖縄で記者をやることは。
日々現場で取材する地元記者に直接話を聞き、沖縄の新聞の歴史的背景、その報道姿勢を探る。(本帯)
沖縄は観光地としてしか、見たことはないかもしれない。
報道される米軍基地問題も遠い場所の出来事・・・。
ネットに流れる、さまざまな論調に同調することもあります。
現実を知らないのに・・・。
「琉球処分」以降、現在までの沖縄の歴史は「捨て石」としての役割を負っている事実はある。
左側の内容かな?と思いつつ読み進めるも、左右両方に対しバランスを保ち、客観的だったと思います。
これを読んで、沖縄を完全に理解できることはないが、基地問題をはじめとする「沖縄」に注目する機会が得られました。
日本国内だが、本土・・・というくらい、実際も気持ちの上での距離も離れている。
誰しも「郷土愛」を持っています。
ただ、沖縄の歴史を考えると、我々が言う「郷土愛」以上の強い気持ちが人にも土地にも沖縄にはある。
それがウチナーンチュ(沖縄出身者)のアイデンティティーなのか。
(中略)
「では、あなた自身はどうすべきだと思うのか」と問うてきた。
それは他人事のように沖縄を論じ、安全圏のなかで沖縄に寄り添っているかのようなそぶりを見せる、私や本土メディアへの静かな抗議であったようにも感じる。
取材を重ねるなかで私も変わってきた。
ひとりの書き手として、ネタとして、沖縄を消費するのではなく、日本社会に生きる者として沖縄とどう向き合っていくべきかーーそれをいま、必死に考えている。
そう仕向けてくれたのは沖縄の記者たちだ。(あとがき)