「おじさん」的思考
「おじさん」的思考 内田樹
こつこつ働き、家庭を愛し、正義を信じ、民主主義を守る・・・。
「日本の正しいおじさん」たちが心の支えとしてきたモラルや常識が棄て去られてしまった現代
、「おじさん」たちは何を指針に生きれば良いのか。(本書カバー)
リアル「おじさん」?のつもりなので、参考になれば~と思い手にする。
私の旧友「小口のかっちゃん」は医者のくせにスモーカーで酒飲みである。彼は「美味しく煙草を吸ったり、お酒を呑んで愉しく酔いつぶれるためには、人は健康でなければならない」という考えの持ち主である。「不健康に生きるためにはまず健康であることが必要なのである」という彼の持説は私にはたいへん説得力がある。(P.90)
本書で一番印象に残る、とても説得力ある言葉です。
内田樹の著作全般に言えるのは、読者は文学史に登場するような作品を既読であることが前提で話が進むこと。
本書では、夏目漱石作品が挙げられており、辛うじて読んであったが・・・まだまだ未読作が多い。
名作が既読であることも「おじさん」要素なのかもしれない・・・。
正しいおじさんへの道のりは、まだまだ遠い。
「おじさん」に成れていない、おじさん未満・・・なんて中途半端なのだらう。