日本人の「異国」観
「戦争の日本古代史」 倉本一宏
「白村江の戦い」って何だったっけ?で、読みだした。
白村江の戦い~八月二十八日
二十七日から二十八日にかけて、倭国の水軍が続々と白村江に到着したものと思われる。普通であれば、前日に敗戦していた場合、その原因を分析して、次の決戦の作戦を練るものであろうが、倭国軍にはそういった形跡が見られない。
これは日本の歴史を通じて見られる特徴なのであるが、要するに対外戦争をほとんどおこなった経験がなく、内戦も大した規模でおこなわなかったために、いざ戦争となっても、ろくな戦略も戦法も考えずに、やみくもに突撃をくりかえす、そのうちに英雄的な人物が現われて戦闘に一気に決着をつける、といった物語のくりかえしなのである。
小規模な内戦をおこなっていたあいだは、これで何とかなったのであるが、これが世界帝国相手(唐・新羅連合軍)の対外戦争となると、そううまくいくはずはない。(P.146)
う~ん、この部分でもそうだが、全編を通じて著者独自の歴史観が濃いかな?。
わずかな史料や遺跡から、1000年以上前のことを「・・・だったであろう」と想像するので致し方ないのだが・・・。
タイトルを「異国」観としましたが、日本も隣国も「中華思想」に基づく同様の「異国」観があるようです。
ある時は味方、またある時は敵となる「相手」(ましてや国)と交渉し、付き合うのはタイヘンだったでしょう。
今も昔も変わらないか~。