師走 朔日 レッド・プラトーン
「レッド・プラトーン 14時間の死闘」クリントン・ロメシャ著 伏見威蕃 訳
「いまよりマシにはならないぜ(It doesn’t get better.)!。」
2009年10月3日の早朝、アフガニスタン北東部の山岳地帯に位置するアメリカ陸軍の戦闘前哨(COP)キーティングは300人を超える重装備タリバン兵の奇襲攻撃を受けた。
友軍のはずのアフガニスタン国軍は敵前逃亡し、残るはCOP内の米軍黒騎士中隊の兵士50人・・・。
著者は、その渦中の赤中隊(レッド・プラトーン)Aセクション指揮に携わった二等軍曹。
現代のリアルな戦闘状況が克明に描かれています。
兵士間は、それぞれ無線でつながり、それは遠く離れた本拠地でも確認できる。
ヘリコプターをはじめとする地上攻撃用の航空兵力の凄まじさ。
最前線で負傷した兵士を治療するナマナマしい場面。
米軍は、無人機プレデターやB-1爆撃機、F-15、A-10まで投入して、マサに「やられたらやり返す」を徹底的に実施してCOP救援にあたる。
それに対し、重装備と言ってもタリバン兵は民族衣装にスニーカーで武器は旧ソ連時代の兵器ばかり。
装備の差は明らかです。
米軍側からみた戦いの記録なので、タリバン兵はまるで虫ケラ扱いだし、アフガン兵も足手まといのコシヌケ扱い・・・。
太平洋戦争時の旧軍のことを攻守両方の立場で想像しました。
戦いに「正義」はあるのか?。
この戦いに至るアフガニスタンでの出来事については述べられていません。
あくまでも前線の兵士が体験した、COPキーティングでの14時間余りのことだけが描かれています。
戦争の最前線には、様々な境遇や過去を持った兵士がやって来ることも。
現代アメリカの側面も垣間見れます。