1973年のピンボール
「1973年のピンボール」 村上春樹
宴席で知り合った方に、なぜか?薦められたので読んで見ました。
本との出会いは、ホントに多様性に富んでいます。
相変わらず(?)つかみどころが無いフワフワした作風だが、この初期作品は比較的現実的かも。
あまり大人が登場しない青春小説です。
読んでいて気が付きました。
これは、「ハートカクテル」わたせせいぞう作品と世界観が似ている。
どちらが先に影響を受けたのかは、不明(本当に影響があるのかも含め)ながら、かつて好きだった絵本のようなコミックスを思い浮かべます。
タイトルの「1973年~」時点では、まだまだ子どもでしたが、読み進めるうちに、お酒も飲めるようになった若かりし頃にトリップしていた・・・。
本書を薦めていただいた方は、年齢的には「1973年~」<僕>と同世代だったかもしれません。
世代差はあるものの、当時~あこがれた大人の世界に浸りました。
・・・バスのドアがパタンと閉まり、双子が窓から手を振った。何もかもが繰り返される・・・。僕は一人同じ道を戻り、秋の光が溢れる部屋の中で双子の残していった「ラバー・ソウル」を聴き。コーヒーをいれた。そして一日、窓の外を通り過ぎていく十一月の日曜日を眺めた。何もかもがすきとおってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日だった。(P.183)