辺境を歩いた人々
「辺境を歩いた人々」 宮本常一
・・・思わぬことから人を殺めてしまい、八丈島に流刑となったが、膨大な風俗地誌「八丈実記」をまとめあげることになった近藤富蔵、陸奥にとどまり、民俗学の草分けとなった菅江真澄、蝦夷地のために尽くした探検家・松浦武四郎、沖縄、与那国、奄美、台湾・・・と生活・調査した笹森儀助。江戸後期から明治に至る、柳田民俗学誕生以前の民俗探訪の実際と先駆者四人の生涯。・・・(本書カバー)
本書に書かれた四人は当時の幕府・藩・政府から指示を受けて「辺境」に赴いたのではなく(八丈島は別)自らの意思で過酷な自然環境の土地へ辺境へ向かったのでした。
それは~他国侵入への危機感、日本を豊かにするため、「辺境」に住む人々の環境改善のため・・・。
「辺境」というくらいなので、冬季は身動きが取れなくなる北方や、マラリア等の風土病と原住民からの襲撃がある南方。
当然にまともな道もなく、交通手段も未整備の旅は過酷~過酷の連続だった。
過酷で悲惨な場面でも、登場人物を慈しみ優しく見守るような著者の書き方のおかげで読み続けられます。
どちらかというと、小学生向け?に書かれた内容かも。
宮本作品はタマに読みたくなります。