気候で読む日本史
「気候で読む日本史」 田家 康
昨年の大雪をはじめ、近年は「異常気象」と言われる自然災害が頻発しています。
しかし、過去にもこのような「異常気象」が発生していたハズ。
現代社会でも甚大な被害が発生しているのだから、それ以前~藩政期~もっと遡れば相当の災害に日本は見舞われているのでした。
記録の残る奈良時代から「異常気象」の実態を追いかける本書を見ていると、日本は常に「異常気象」「自然災害」見舞われており、そのことで起こる飢饉や疫病の流行~が社会変化の一因になっていることが分かります。
遥か彼方の巨大火山噴火が数年後の「異常気象」の原因ということも。
そして、大量の木材伐採等が災害の遠因になっていることもあります。
・・・科学的アプローチとはいえないが、これまで見てきたように江戸時代以降の寛永の飢饉から1993年の凶作に至るまで、日本を襲った大飢饉は概ね40年から50年の周期で起きていることを歴史は示している。近年の凶作は日本人の食生活の変化と輸入食料の増大により社会の混乱が長く続くことはなかった。歴史的なサイクルからみれば、次の凶作あるいは飢饉は2030年代から2040年代となる。もっとも、20世紀後半以降の地球温暖化といった要素もあり、想像の域を出ない。・・・(P.315)
・・・「日の下に新しきものなし」とは『旧約聖書』の言葉だ。気候変動にせよ自然災害にせよ、これらに対するあり方という面ではわれわれの祖先が行ってきた方向と異なることはないだろう。私たちは、先人同様に科学や技術の発展をたゆまず続けなければならない。そして為政者に対しては、安定した政治体制の下で、過去にとらわれない実行性ある対策を期待していく。過去に歩んできた道は未来へとつながっているのだ。・・・(P.316)
異常気象・・・は、残念ながら発生して当たり前のようです。