未来の金融
捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む 橋本卓典
さよなら「銀行」・・・なかなかショッキングというか挑発的なキャッチです。
前2作を読んでいたので、その流れで。
「捨てられる銀行」は、過去続けてきた数値とノルマと地位と報酬による人間の管理、会計とコストだけで組織や人心までもコントロールできるという古代の信仰を捨てない。いわば、目で見える「計測できる世界」しか見ようとしていない。(はじめに)
昭和流儀の否定?とも感じるがどうなのだろう。
前作では、大鉈を振るった森(前)金融庁長官が描かれていて、長官が変わったらどうなる?と思っていたが、現在の遠藤長官の下でも、その流れは変わらないようです。
もっとも金融庁の方針というより、金融を始め世界の全産業の流れが変わってきた~という感じ。
それも変化のスピードはとても速いので、各自がそれに追いつこうと必死になっている~というのが現状かも。
今回もドラマ仕立て?のような書き方(ノンフィクション)は読みやすい。
「我々の仕事は単なる数字のチェックではないよ。経理の間違いを発見することではない。その数字の背景に何があるのかを読むところまでできなければ意味がないんだ」見れば分かる数字を追うのが会計ではない。「計測できない世界」を読めと教えられた。(P.113)
想像力、読解力を膨らませて裏(本質)を読む・・・AIにはできない人間が行うべき仕事。
金融関係だけではなく、これからの「仕事」を考えるうえでも示唆に富む本でした。
人を大事にしない組織はダメなのか・・・しかし、大事にするというのと甘やかすは似て非なるもの。
その加減や手法がムズカシイのだが・・・。
本書でも1作目に続いて地元地銀が取り上げられていました。(紹介の行数は減っていたけど)^^;