柿の種
「柿の種」寺田寅彦
・・・この書の読者への著者の願いは、なるべく心の忙しくない、ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたいという事である・・・(自序)
寺田寅彦の短編エッセイ集。
大正9年から昭和10年10月ごろまでの著者が日常で感じたことが、読みやすいボリュームと平易な文で書かれています。
この頃の日常生活が分かって興味深い。
食事風景、映画等の娯楽、街並み、郊外の風景・・・。
東京中心だが、ゆったり時間が流れる光景が目に浮かぶ。
現代とは比較できないが、それ程不便な日常ではなかったような気がします。
著者が高名な科学者だったためかもしれませんが~。
読んでる当人はセワシナク読んだかもしれない・・・。
棄てた一粒の柿の種 生えるも生えぬも 甘いも渋いも 畑の土のよしあし