「ない仕事」の作り方
「ない仕事」の作り方 みうらじゅん
「マイブーム」「ゆるキャラ」など新語を生み出し、それまで世の中に「なかった仕事」を企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作り続けてきたみうらじゅん。アイデアのひらめき方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、その驚きの仕事術を丁寧に解説。・・・(本書カバー)
ビジネス書のようなタイトルですが、そんなにギラギラした内容ではなくどちらかというと、かなりユルい。
それでいて、仕事の本質をついているような~不思議な本書です。
・・・私の「したい仕事」は世の中にあると思い込んでいました。しかし、どうやら、ない。だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張をしてしまうと、世の中からすぐに「必要がない」「欲しくない」と気づかれてしまう。そこで自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになる。
「自分探し」をしても、何にもならないのです。そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、「自分なくし」をするほうが大切です。自分をなくして初めて、何かが見つかるのです。・・・(P.134~135)
以前、日経春秋で紹介されていた「自分なくしの旅」みうらじゅん著~のエッセンスがありました。
・・・「自分というものは、単体で存在しない。環境や他者との関係により構成されているのだ。だから悩みが生じたときは、自分だけを信じるのではなく相手の気持ちや環境を考えてみよう」。お釈迦さまが説いた「縁起」という思想と重なる。・・・日経春秋(2021年4月26日)
マニアックな部分が仕事になる?「ない仕事」にしてしまう著者は特殊例かもしれません(失礼ながら)。
「空」「無」~「すべては空である」「ないもの」が「ある」~究極のシンプル??。
また~思想の迷宮に・・・。
追記:「一人電通」~は、この時期は「無」の方がイイかも・・・。