弥生朔日 この世の喜びよ

「この世の喜びよ」 井戸川射子 第百六十八回芥川賞受賞作

・・・あなたは積まれた山の中から、片手に握っているものとちょうど同じようなのを探した。豊作でしたのでどうぞ、という文字と、柚子に顔を描いたようなイラストが添えられた紙が貼ってある。その前の机に積まれた大量の柚子が、マスク越しにでも目が開かれるようなにおいを放ち続ける。・・・

 

ショッピングセンターの喪服売り場で働く「あなた」とフードコートで勉強する少女、ゲームセンターのスタッフとメダルゲームをするおじいさんの何気ない日常の交流が描かれます。

舞台になるクリーム色の建物のショッピングセンターには、衣料品売り場・食品スーパーの他に、スパゲッティ屋、パンバイキングの店、仏具店、マッサージ店、ペットショップ、アカチャンホンポ、サンマルクカフェ、タリーズコーヒー~が入店している。

相当大きなショッピングセンターのようです。

一応、職業目線?で読んでいました。

少女はヤングケアラーのようで、自宅では幼い弟の世話があって勉強できない~ゲームセンターに入り浸る高齢者・・・そしてコロナ禍。

世相が浮かび上がってきます。

何気ない日常に、何気ないささやかな喜びを感じる時がある。

 

ん~読みやすかったが単調で、エッ!もう終わり?って感想でしたが・・・。(^-^;