デジタル・デモクラシー

「デジタル・デモクラシー」ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会  内田聖子

・・・「デジタル・デモクラシー」という言葉を検索すると、ヒットする内容はほとんどが「インターネット選挙」や「電子議会」などを意味する。しかし、本書が意味する「デジタル・デモクラシー」は、力(パワー)を持つビッグ・テック(巨大IT企業)と彼らが構築した搾取的で不公性な経済モデルに対し、人々があらゆる手法やアイデア、運動を通じて抵抗し、民主的で倫理的な対策を生み出そうとしている、まさにそのプロセスを指す。世界の人々の運動とその力をみなさんに感じ取っていただきたい。・・・(まえがき)

 

GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック(メタ)・アマゾン)に囲まれた現代社会・・・どっぷり依存しています。

加えて、マイナカードやクレジットカードの利用情報は、これらビッグ・テックを通じて一元管理は可能。

至る所にある監視カメラ画像とつながれば個人の行動も把握。

何に興味があるか、いくら消費するのか、健康状態は、何処へ行くのか~個人データはビッグデータとして集約され、新たな経済活動(搾取?)の元になる・・・。

リアル「ビッグブラザーはあなたを見ている!」になっています~しかも数字・記号のデータとして、個人は単なる記号にしか過ぎない。

また、万能?と思われつつある生成AIもミスはするし(意図的もある?)、世界各地に散らばる非正規雇用のITエッセンシャル・ワーカー(ゴースト・ワーカー)達によって支えられている事実に愕然。

 

最初はこんなことになっているんだ!と興味津々だったが、読み進めるうちに人間=データとしか見ていない「存在」に不安と恐れも感じました。

著者の書き方もあるかもしれませんが、疲労感も少し・・・。

 

・・・便利なアマゾン、友人や恋人の日常を逐一チェックできてしまうフェイスブック、あらゆるアプリを提供してくれるグーグルーーー。これらに慣れ親しむうちに、私たちは批判的態度を削がれ、「技術の中立性」という神話に酔わされ、監視資本主義の世界の住人になってきた。・・・(P.230)

 

スマート○○~というのには要注意です。