町内会

「町内会」コミュニティからみる日本近代 玉野和志

・・・町内会はいわば公共財のようなものである。日頃から行政に協力し、地域の親睦行事を支え、ごみ集積所の管理などもしてくれる。あると助かるし、いざというときありがたいが、日頃からそれを積極的に支えようとは、誰も思わない。それは誰かがやってくれれば助かるが、できれば参加したくないものなのだ・・・。(本書カバー)

 

マサにその通りであります。

ネット上では町内会が煩わしい~抜けたい~会費が高い~非協力だったらゴミ集積場所を使うな!となった・・・等々、ネガティブ扱い。

会費を払うことへのメリットがわかりにくい~また、戦前戦中時の隣組制度の延長といった批判感覚もあります。

 

ちなみに金沢市では↓のように定義?説明されています。

・・・町会は地域住民が自主的に運営している団体です。
地域住民の親睦を図るとともに、地域の安全・安心に取り組み、良好な生活環境を築いていくことを目的としています。
町会へ加入し、「地域の一員」として、様々な行事や活動に参加することで、交流や親睦が深まり、地域の連帯感が培われ、いざという時に支え合い、助け合うことができます。住みよい豊かな地域をつくるために町会への加入をおすすめします。・・・「金沢市町会連合会HP

 

著者は金沢市出身で「町内会」への理解と希望を持っていらっしゃいます。

本書に興味を持ったのは「町内会」の将来に何かヒントがあるかも?と思ったからです。

これまでも何かと「町内会」に関する役割をしてきて、やや行き詰まり感を感じていましたから・・・。

 

・・・町内会は全戸加入を原則に、つねに地域のために必要なことを行う団体なので、参加者が好きなことを自由に行える団体ではない。みんなのために必要なことをやることが、自分のやりたいことなのだという人は、残念ながらそれほど多くはないだろう。一般的に共同防衛などの公共的な事柄は、皆そういう性質をもっている。国家や自治体が維持できるのは、税金を集めるだけの権力を有し、公務員に給料を払うことができるからである。町内会のような任意団体にはそのような権力も財力もない。ひたすら人々の公共心に訴えるしかない。そのような民間団体が五〇年以上も維持されてきたのは、奇跡に近いと考えた方がよい。しかも衰えたとはいえ、まだ半分近くにの住民を組織しているのである。捨てるには惜しいが、このまま維持することはむずかしいというのが、自治会・町内会なのである。・・・(P.159)

 

なんか身も蓋もない内容が書かれています・・・。

将来的には、防災・災害時対応、ごみ収集や自治体への陳情窓口~といった業務に特化せざるを得ないのではないでしょうか。

それすらも難しいかもしれないが。

行政機関が町内会機能をすべて担うのは難しいだろうな。

 

必要なことはわかっているが、身近にあると(関わると)嫌な存在・・・ゴミ関連の施設、発電所等があります。

「町内会」も似たような存在なのかも。