素っぴん土器ではない

日経朝刊連載「渦巻く縄文土器」十選(8) 押出遺跡 彩漆土器

山形県押出遺跡で出土した赤漆をベースに黒漆で渦巻きが描かれた縄文前期の土器。

低湿地遺跡のため土壌の水分によって遺物が真空パック状態で保存されたまま発見された~と紹介されています。

低湿地遺跡でなければ、表面に塗られた漆や色彩も消えていた可能性が高かった。

 

・・・つまり現在博物館で見る縄文時代のものは当時の姿をしていない。どんなに残りの良い土器であっても飾り気のない「素っぴん」であることは常に意識したい。・・・

 

縄文時代は意外とカラフルな色彩にあふれていた?。

日常的に使用されたのか、儀礼祭式用だったのかは不明だが、夜でも火の光に照らされてキラキラして見えたのでしょう。

 

気の遠くなるような時間を経ても保存されていたことに驚く。

同時に「モノ」の本質は、現在見ることのできる姿だけでなく、経緯、時の流れ、素材、環境~等々、いろんな面を見て想像力を渦巻かせることが大事かと。

「素っぴん」もアジがある気がします。