生きている土器

日経朝刊掲載「渦巻く縄文土器」十選(10) 長野県能久保遺跡 焼町土器

・・・渦巻きは立体化する。土器の表面を縦横無尽に駆け回る渦巻きは平面から起き上がり小さなドーナツのような回転体、円環となる。器面のあらゆる場所で回転体は激しくぶつかり合い双眼といわれる文様となる。回転体の走った軌跡は筋張った筋肉や浮き出る血管のように盛り上がり土器全体が生き物にも思えてくる。・・・

 

画像をジッと見ていると円環が蛸の吸盤に思えてくる~土器なのに有機体?のような触り心地も想像できます。

土器に吸い込まれる・・・縄文に渦巻きに吸い込まれてしまう。

実用的な土器らしいが、どのような意図・使用目的で作られたものなのか。

これほど複雑な装飾?呪術要素?が加えられた理由が知りたくなります。

知らないうちに土器に取り込まれているかも。

 

・・・「深淵を覗く時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」・・・

 

「暗黒神話」「妖怪ハンター」・・・諸星大二郎の世界観を思い出して背筋ゾクゾクしています。

新聞掲載は今回で終わりですが、縄文渦巻きに取り込まれてしまいました。