死ぬということ

「死ぬということ」医学的に、実務的に、文学的に  黒木登志夫 著

・・・「死ぬということ」は、いくら考えても分らない。自分がいなくなるということが分からないのだ。生死という大テーマを哲学や宗教の立場から解説した本は多いが、本書は医学者が記した、初めての医学的生死論である。といっても、内容は分かりやすい。事実に基づきつつ、数多くの短歌や映画を紹介しながら、ユーモアを交えてやさしく語る。加えて介護施設や遺品整理など。実務的な情報も豊富な、必読の書である。・・・(本書カバー)

 

敷居が高いテーマの本だと思い、最初のページを開くまで時間がかかったが、全編にわたり優しさとユーモアあふれる内容で、読後感は意外と「さわやか」です。

紹介される短歌や映画のおかげで、スッと本書に入ることが出来ました。

本書カバーにある通りです。

ただ、現実には過酷な場面もあるでしょうから、読み物として安易?にススメてもいいのかわからない気もしますが・・・。

 

著者は、医師(ただし臨床経験がほとんどない⇒自称、経験なき医師団)ということもあり、健康診断の必要性を訴えています。

近々に受診予定なので心して?診断に臨むことに・・・。

 

テーマがテーマだけに、感想を書くのは難しい~薦めることも抵抗あります。

でも、手元に置きたい一冊であるかもしれない。

 

・・・よく言われることであるが、生きている限り社会に貢献しなければならない、それが生きがいであり、人の努めなのだと。それはそれで素晴らしいことではあるが、社会を乱すような行為をしていない限り、社会の一員として生きること自体が社会への貢献である。理想的な人生とは健康で長生きをし、人に迷惑をかけずに一生を終えることである。黒澤明はそれを次のように言っている。「演技は大根でも存在感の牛肉役者、脇を固める器用な味付け役、くさい演技のにんにく役者、無味無臭の水のような奴、全部必要さ」その通り。水は何よりも大事なのだ。・・・(P.260)