藤十郎の恋・恩讐の彼方に
「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」 菊池寛
文学史的作品なのに新聞書評で紹介されていたので興味をもって。
表題の2作他~全部で10作収録の短編。
ちょうど2月上旬の大雪の際に「恩讐の彼方に」を読んでいました。
黙々とキリがない雪除けをしながら、九州・耶馬渓の大岩に隧道開削を一人始めた僧了海を思い浮かべて・・・。
20年あまりをかけて隧道を完成させた了海には、まるで及ばないが。
「藤十郎の恋」・・・今なら、週刊誌ネタ?。(さすが文春砲の創設者・・・)
巻末の「俊寛」は、流刑地・鬼界ヶ島に残された俊寛僧都の「その後」が語られます。
どことなくハッピーエンド?こういう事があったかもしれない。
各作品ともシンプルなストーリーですが、その場に居合わしている感覚になるのは作品としてのチカラかと思います。