父のビスコ
「父のビスコ」平松洋子
かなり前に新聞書評欄で見つけ、書きとってそのままになっていたのをようやく読みました。
でも、手に入れたのは最近なのだが、こういうのも「積読」というのだろうか?。
時代背景が古いエッセイかな~と思ったらそうではなく、比較的に最近。
ビスコは1933年から発売されていたというので、勝手に先入観持っていました。
そして2018年7月の倉敷の水害被害のことが描かれていたが、遠隔地にいるためかすっかり忘却の彼方。
これは大いに反省しなければなりません。
能登地震や水害被害も同様に思われているのかも・・・。
また、柳宗悦・河井寛次郎らの民藝運動と倉敷の関わり合いも興味深かった。
倉敷~訪れたことがなかったので、いつかは訪問したいと思います。
・・・「お父さん、新書の字は小さくて詰まってるし、ずっと読んでいたら疲れるんじゃないの。お母さんも心配しているよ」
すると、父は言下に強い口調で返してきた。
「知りたいことがまだまだたくさんある。だから死ぬわけにはいかん」
ぐうの音も出なかった。と同時に動揺した。生と死を巡って父の頭のなかにこんな言葉があるなど想像したこともなかった。・・・(P.305)